●スタディルーム
小児歯科 一般歯科
その3 お母さん泣かないで!前歯のむし歯は治せます!! その3 歯周病はどのように進行するの?
その2 お母さん!スポーツドリンクにご用心!! その2 歯牙移植ってなあに?
その1 赤ちゃんの歯磨きどーしたらいーの? いつから始めたらいーの? その1 歯周病ってなーに? なぜ、そんなに「磨け磨け」と言うの?
一般歯科―その1 歯周病ってなーに? なぜ、そんなに「磨け磨け」と言うの?
 歯周病は文字通り、「歯の周りの病気」で、歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎と、歯をささえている骨(歯槽骨ーしそうこつ)が溶ける歯周炎に分けられます。一般にいわれる歯槽膿漏は歯周炎のことです。人類が文明の開化とともに、火で調理した食物(柔らかく加工した食物)をとるようになってから生まれた古代からの病気です。エジプトのミイラからも歯周病がすでに発見されています。
 
 野生の動物にはほとんど歯周病はありませんが、家畜化された犬や猫の多くは歯周病にかかっています。火で調理していない生肉、木の実、草の根・・・といった硬い生の食物は、食事のたびに外側から歯ぐきをこすって鍛錬します。また強く噛みしめないと食べられないので歯槽骨や歯根膜(歯根と歯槽骨をつなぐ膜)も内面から鍛えます。しかも線維性に富んでいるので食事をしながら同時に食べかすも取り除いているのです。したがって、火を使う以前の人類や野生の動物にはブラッシングの必要性がないわけです。

 現在の日本では、成人の8割以上の人が大なり小なり歯周病に罹患しています。あまり痛まず、腫れもそう目立たず、自覚症状がそれほどないままにじわじわと進行することが多いため、気が付いたときにはかなり骨が溶けて進行してしまっている恐ろしい慢性的な病気です。実際に来院された段階で歯がブラブラで指でつまんでも抜けそうなケースはよくあります。そんなケースではレントゲン写真を撮ると歯を支えている歯槽骨がほとんど溶けてなくなっています。

 しかしながら、早い時期にその原因をちゃんと理解し、適正なブラッシングを実行し続ければ必ず予防できる病気ですし、一生自分の歯で(入れ歯なしで)噛むことが可能です。

 歯周病の最大の原因は、嫌気性グラム陰性菌(酸素のないところで活動する細菌)と抵抗力のない歯ぐきの存在です。嫌気性グラム陰性菌は歯と歯ぐきの間に形成されるデンタルプラーク(歯垢)の中に繁殖して、歯肉に炎症をおこし歯槽骨を溶かします。この原因を除去するには歯と歯ぐきの間の食べかすを残さずに取り除くことと、抵抗力のない歯ぐきに適度な刺激を毎日与えることです。今さら、野生にもどって生肉、木の実、草の根・・・といった硬い生の食物だけをとって生きてはいけないですから、その分現代人は適正なブラッシングの習慣を欠かすことが出来ないわけです。

 歯周病には軽度なものから重度なものまで様々ですが、一度溶けてしまった骨がもとに戻ることはかなり難しいので、出来るだけ早期に受診することが重要です。歯磨きの時出血したり、歯に物がよくつまりだしたり、人から口臭がすると言われたり少しでも症状があれば、勇気を出して受診してください。一本でも抜かずにすむような治療と適正なブラッシング指導をしてもらえる歯科医院は必ずどこかにあると思います。                          
(一般歯科担当 井尻博和)
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